南Y島
「リタイアしたらこんなところで暮らしてみたいな」と思う場所が世界中にたくさんあって(思うだけならタダだし)、そのなかのひとつが南Y島。
どうしてこんな変な文字なのかは知りませんが、英語だと Lamma Island と呼びます。
香港の離れ小島のひとつです。
ハワイやグアム、はたまた沖縄みたいなトロピカルな雰囲気はありません。
どちらかといえば、日本の夏の海沿いの田舎や、瀬戸内海あたりの島をイメージしたほうがしっくりくると思います。
香港からのフェリーが着く港の町(というか村)は、リゾートというより、夏の間だけ賑わう伊豆あたりの小さな集落という感じ。
写真には写っていませんが、右側の山の向こうには火力発電所の煙突が見えていて、パラダイス感はあまりないです。
ここから30分くらい歩いた反対側の海は、もう少しキレイなビーチで、海水浴場として整備されています。シーズンが始まったばかりの土曜日は、まだそれほどの人出はありませんでした。
香港島からの高速船で30分足らずのこの島は、中環あたりで働く外国人のビジネスマンも多く住んでいるらしく、西欧人の居住者比率がかなり高いそうです。
香港の中心に船で通勤とは、なかなかオシャレ。
そういう人の奥様なのか、ハイキングコースの途中にテーブルを出して、観光客相手に手作りのクッキーを売っている人もいます。
港近くの食堂で、昼間からビールをちびちび飲むユルさがよく似合うのです。
向こうにいる白人のオッサンは、ビール瓶を保冷カバーに包んで、ゆっくりゆっくり飲んでおります。レイドバック感、たまらんです。
実は香港島のすぐ隣に位置する島なのですが、裏側に回り込むため、香港のビル群はまったく見えません。香港の近くとは思えない長閑さ。
ハワイでリタイアとかが王道でしょうけど、こんなひなびた田舎に引っ込んで、でも必要とあらば世界有数の大都会香港へもすぐ。香港からなら世界中のどこへでもひとっ飛びと、ビールの酔いも手伝って、妄想はどこまでも拡がるのでした。
(訪問時期 2015年4月)